C4光合成でのCO2同化のしくみを解明しました
最近、C4光合成(Zea maize)でのP700酸化システムを評価する論文をIJMS (IF > 4) に公表しました(Int. J. Mol. Sci. 2021, 22(9), 4894; https://doi.org/10.3390/ijms22094894)。 これまで、C3植物でP700酸化の分子メカニズムを明らかにしてきました(Miyake 2020, Furutani e al. 2020)。このモデルを提唱するための頑健性ある事実として、Mehler反応あるいはFd依存CEF活性が非常に小さいことがあげられます。つまり、これらの光合成とは関係ない電子伝達反応がP700酸化へ貢献するという事実を見出すことはできませんでした。この事実確認および測定の再現性は是非とも多くの方々にやって欲しいと願っております( DOI: https://doi.org/10.1104/pp.85.1.294)。CO2同化をベースとする評価を行えば容易に判断できます。誰でも再現性ある事実を観測していただいてご確認していただきたく考えております さらに重
“RISE” cited in the Plant Journal
Citation Alertで、下記のジャーナルに”P700 Oxidation System”の中で”RISE”が引用されていることを知りました。Delta-pHによるCyt b6/f複合体のPQH2酸化活性制御は”Photosynthesis Control”と呼ばれており、古くから知られていました。しかしながら、Delta-pHで説明できないCyt b6/f複合体の活性制御の存在を2016年に釋さんとPlant Cell Physiologyへ報告しました(詳細を知りたい方はこの論文をご覧ください)。ラン藻Synechococcus PCC7942 (S. 7942)を用いて、全く見たこともない生理現象に出会い、非常に感動したことを覚えております。Q-cycle制御によるP700酸化です。当時は、ラン藻S. 7942だけの特異的な生理現象かも、と考えていたのですが、その後、高等植物でもRISEのコンセプトを用いないとP700酸化が説明できない事実に多く出会うことになりました(Wada et al. 2020, Furutani et al.