「P700酸化システムの頑健性の解明」が掲載されました
日本農芸化学会誌「化学と生物」2月号(2018年)に、「P700酸化システム」の頑健性を解明したこと、光合成生物が進化の過程で酸素(O2)と戦ってきた歴史に関する「解説」を掲載していただきました。 (https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=924) (https://katosei.jsbba.or.jp/index.php?aid=924&bt=on) 酸素は、私たち従属栄養生物にとっては呼吸に不可欠なものであり、この点においては光合成生物も同じであります。一方で、光合成生物は、その生命維持活動の中で酸素をありがたいという立場だけでは済まされない事情があります。光合成生物は、光エネルギーを用いて糖を生合成する独立栄養生物です。これには、地球上で最初に酸素発生をし始める光合成のメカニズムを利用したラン藻の誕生から、緑藻、珪藻、紅藻、コケ、シダ、裸子植物、被子植物など多岐にわたり含まれています。彼らが、光合成を営むときに、光エネルギーはいつも余っています。その余ったエネルギーはつねに大気酸素へ流れ