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またまた、新しい事実に出会うことができました。光合成・活性酸素研究の出口です!

大西さん、古谷さんの頑張りです。まだ、だれも見たことがない新規なプロット、そして、そこから見えてくる光合成の世界、再現性ある光合成の世界、ようやく光合成・活性酸素研究の出口の一つを示すことができました(Antioxidants 2021, 10(7), 996; https://doi.org/10.3390/antiox10070996。学生時代の1991年に学会デビューしました。その時の論文で分からなかったことが、Shakuさんの論文(2016)、そしてShimakawa, Shakuさんの論文(2018)で解決しました。感慨深いです。そして、2021年、今年、大西さん、古谷さんと非常に画期的な方法論の開発そして見えてきたというか、植物が見せてくれた非常に重要な事実に出会えました。まさしく、光合成そして活性酸素研究の出口の一つになりました。全く新しい解析手法の考案、醍醐味です。これにより、だれも見なかった多くの事実に出会えます。しかも、見つけた当初からその事実の再現性の確保も驚愕です。その展開、楽しいです。

私の研究は、基本的に野生型光合成生物にその答えを求めます。野生型の示す全く新しい表現型の発見に全力を注ぎます。なぜなら、まさに生きているその場で、どのように生き抜いているかを見せてくれるからです。その見せ方がどのような条件で生じるか、その条件を設定するところが勘所です。そして見せてくれた生理現象の再現性を確立したら、生理解析です。ここからは私どもの得意とするところですので、さらにより多くの事実に出会えさらに展開します。そして、ようやく変異株の登場です。変異株の使用の難しさは、遺伝子欠損、遺伝子機能の抑制、あるいはこれらの逆条件、といった非常に不利な状況で生き抜いてきたものを解析しなければなりません。そのため、多くの補償作用が発現している変異株の解析は、非常に慎重にならざるを得ません。別の隠れた変異が潜んでいるかもしれません(Wada et al. 2021)。野生型と比較し、何か違いがあれば、原因遺伝子は特定できた!と勘違いしそうです。ここにこそ慎重さが求められます。

今回報告した内容は野生型での生理現象・事実の再現性にもとづくものばかりです。これらから、多くの展開が期待されます。見出した生理的現象の数、いやその何倍もの事実を説明する原理原則が潜んでいるはずです。私自身、驚いております。「P700酸化システム」の提案、そのメカニズム解明の過程で出会えた事実です。頑健性のある事実に出会えました。

論文の中身は原書を確認していただけたら幸いです。私の光合成・活性酸素研究(約30年)の出口の一つを間違いなく世に出せたと考えております。酸化障害を被る危機に直面していることをいち早く検知できます。また、その原因にも迫れます。栽培管理、ストレス耐性をもつ株の選抜、などなど多くの展開を計れそうです。

また、別の側面からみれば、光合成・活性酸素研究と植物栄養学をリンクさせることができた世界初の解析方法・成果になりました。光合成の能力・生理機能を必須栄養素欠乏とリンクさせることに成功しました。生葉で、栄養素不足を判断できます。これまでは、欠乏症状、過剰症状が顕在化してから生葉の元素分析に諮る、しかも手間がかかる作業・診断が行われてきました。私たちが開発しました方法は、生葉レベルで短時間で評価が可能です。しかも誰でも行える解析方法だと考えます。

論文では、まだ誰も見たことがない解析方法が示されています。そして、植物栄養学とリンクしています。そして、学術的には表現型解明による育種戦略を与えることもできます。重要です。


再現性・継続性ある研究、学会デビューして30年、確かな事実だけをつないできた、また皆さんのご協力によりつないでこれたことが、まだ誰も見たことがない解析方法に出会えた大きな理由と考えます。

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