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光化学系I (PSI) の電子伝達活性評価は難しいですね、、、

先日、古谷さんの論文がJPRに公表されました(The difficulty of estimating the electron transport rate at photosystem I | SpringerLink)。光合成の仕組みを明らかにする研究の中で、これまで測定されてきた光合成パラメータの妥当性を今一度見直していました。そして、PSIの電子伝達活性の評価法に疑問が生じました。評価の前提が?評価最中にPSI反応中心クロロフィルP700のレドックス状態が変わってしまっている、という問題 [Y(I)問題] に直面しました。問題を見出さすのはいいのですが、ではいかにそれを実証するか?という技術的課題に直面します。Figure 1では、実証に成功しました。P700への電子供与体が酸化状態にある、これは光合成が進行しているとき普通に観測されることです。強光であったり、気孔閉鎖状況など光合成効率が低下し、ROS生成の危険性が生じているときです。このとき、相対的なPSI電子伝達活性とされていたY(I)が過大評価されることが明らかになりました。PSIの電子受容体であるPSI複合体内部のFx, FA/FBそしてFerredoxin (Fd)が還元状態にあるときは[Y(NA)が観測されるとき]、Y(I)は過小評価されるということはSchreiber先生が既にご自身の論文1994年に指摘しています。ただ、これに関してはセオリーを理解せずにY(NA)が観測されY(I)が低下していればPSI電子伝達活性が低下した、とする論文が多く報告されています。ボタン一つで解析数値が表示される機器使用の怖さですね。古谷さんの論文では、Y(NA)とY(I)の関係のように、Y(ND)とY(I)の関係が新たに示されたわけです。怖いですね。

それでは、PSI反応中心クロロフィルP700への電子伝達速度vP700がPSI電子伝達活性を評価しているかというと、これも使用できないパラメータです。このことは、この問題点を見出し解析法を示されたDavid Kramer先生の論文にわかりやすく記載されていますので、オリジナリティを尊重すべく、Sacksteder and Kramer (2000)の論文をご参考にして下さい。

ですので、現状、PSI電子伝達活性を評価できる方法がないことになります。難しいですね。ただし、酸化型P700, (P700+, Y(ND))だけは、どんな時でも正しく評価されています。これは、パルス照射に依存しないパラメータですから。ですので、これまで私たちが明らかにしてきたP700酸化システムの評価に関して何も変わらない状況です。

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新メンバー

10月2日より、3回生が3人新たに所属されました。和田先生がモリモリご研究されている光呼吸のお仕事に携わる学生さん二人、私の研究に一人ですね。今年は、いつもと違い、すぐに研究テーマを決定してのスタートです。ご要望があったので、新たな取り組みです。皆様、よろしくお願いします。

「研究活動」の記載内容  古いですね!

先程、自分のウェブページを見て改めて、「研究活動」に記載している内容が古いことに今更ながら気づきました。記載後、非常に研究が進み、多くのことが新しくなっています。いけませんね、、、、徒然にと思っていると、、、、このような事態に至ります。もう少し、徒然さを改善しつつ、取り組みたいと思います。

PSI機能失活とその抑制モデルの実証に成功しました!(Antioxidants 2023, 12(1), 21; https://doi.org/10.3390/antiox12010021 - 2

2020年に提唱していたPSIでの活性酸素(ROS)生成とその抑制モデル(Antioxidants 2020, 9(3), 230; https://doi.org/10.3390/antiox9030230 - 11 Mar 2020)の実証に成功しました。PSIでのO2還元によるH2O2生成の発見(メーラー反応, Mehler 1951)に始まる光合成生物でのROS代謝研究は、その後O2還元の

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