CREST成果報告会
紹介です。現在取り組んでいますJST_CRESTの成果報告会が12月に開催されます。ご興味がございましたらシンポジウムへご参加ください。以下、プログラムと要旨を記載しておきます。
CREST「植物頑健性」領域 第一回成果報告会:「環境変動に対する頑健性のメカニズム解明に向けて」
プログラム: 10:00~ 開会の挨拶 田畑哲之(研究総括、かずさDNA研究所) 保田睦子(調査役、JST戦略研究推進部) 10:10~ 植物育種のためのトランスオミクスモデリング 岩田洋佳 (東京大学大学院 農学生命科学研究科) 11:00~ 植物の栄養獲得と利用の最適化を行う遺伝子制御ネットワーク 柳澤修一 (東京大学 生物生産工学研究センター) 11:50~(休憩) 13:00~ データ科学に基づく作物設計基盤技術の構築 平山隆志 (岡山大学 資源植物科学研究所) 13:50~ 光合成生物がもつ活性酸素(ROS)生成抑制のための「P700酸化システム」の発見とそのメカニズムの全容解明~過酷な地球環境で生き抜くための仕組み~ 三宅親弘 (神戸大学大学院 農学研究科) 14:40~(休憩) 15:00~ 大規模トランスクリプトームモデリングを介した野外と制御環境の統合解析と形質予測 永野惇 (龍谷大学 農学部) 15:50~ 自然生育地における植物の頑健性 工藤洋 (京都大学 生態学研究センター) 16:40~ 閉会の挨拶 田畑哲之(研究総括、かずさDNA研究所)
CREST「植物頑健性」領域 第二回成果報告会:「栽培管理や育種に役立つオリジナル計測機器のご紹介」
プログラム: 10:30~ 開会の挨拶 田畑哲之(研究総括、かずさDNA研究所) 保田睦子(調査役、JST戦略研究推進部) 10:40~ 環境ストレス下、酸化障害の危機を検知する活性酸素(ROS)マーカーの発見と、ROSマーカー活用を目的とした検知機器(ROS Field Master)の開発による栽培管理および選抜育種システムの提案 三宅親弘 (神戸大学大学院 農学研究科) 11:20~ 並列Wifi制御インキュベータと迅速光合成測定装置 永野惇 (龍谷大学 農学部) 12:00~(休憩) 13:00~ 圃場でオミクスデータを収集するための技術開発 岩田洋佳 (東京大学大学院 農学生命科学研究科) 13:40~ フィールド及び温室で活用できる多検体フェノタイピングシステムと環境計測技術 明石良 (宮崎大学 農学部) 14:20~(休憩) 14:40~ オンサイト放置型の多項目統合環境計の開発 三宅亮 (東京大学大学院 工学系研究科) 15:20~ 環境ストレス下の根の可塑的変化を非破壊計測するための栽培・計測プラットホームの開発 宇賀優作 (農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター) 16:00~ 閉会の挨拶 田畑哲之(研究総括、かずさDNA研究所)
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CREST「植物頑健性」領域
第一回成果報告会 講演要旨 「環境変動に対する頑健性のメカニズム解明に向けて」
「光合成生物がもつ活性酸素(ROS)生成抑制のための「P700 酸化システ ム」の発見とそのメカニズムの全容解明 ~過酷な地球環境で生き抜くた めの仕組み~」
三宅 親弘(神戸大学大学院 農学研究科 教授)
光合成生物が環境ストレスにさらされると光合成での CO2 固定が抑制される。このとき、 CO2 固定に利用される光エネルギーが過剰となり、光エネルギーを吸収し電子の流れを生み 出す光化学系 I (PSI)複合体内に電子が高蓄積する危険性が生じる。この状況が続くと、PSI 内部で O2還元による ROS 生成そして ROS による酸化障害の危険性が増大する。本講演で は、PSI 反応中心クロロフィル P700 が酸化されることにより、この電子蓄積が解消され、 ROS による酸化障害の危険性を抑制していること、そして P700 酸化のためのシステムが分 子レベルで多様性をもって光合成生物の進化過程で獲得されてきたこと、光合成生物がスト レスに満ちた地球環境で生きていくために「P700 酸化システム」が不可欠であることを紹介 する。
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CREST「植物頑健性」領域
第二回成果報告会 講演要旨 「栽培管理や育種に役立つオリジナル計測機器のご紹介」
「環境ストレス下、酸化障害の危機を検知する活性酸素(ROS)マーカー の発見と、ROS マーカー活用を目的とした検知機器(ROS Field Master) の開発による栽培管理および選抜育種システムの提案」
三宅 親弘(神戸大学大学院 農学研究科 教授)
作物を含む光合成生物が環境ストレスにさらされると、チラコイド膜に存在する光化学系 I(PSI)複合体反応中心クロロフィル P700 が P700+へ酸化され、PSI での活性酸素(ROS)生成 が抑制される。演者は、P700+を ROS マーカーとして提案し、作物がストレスにさらされて いることをいち早く検知するための活用法を開発してきた。また、同時にフィールドで携帯 性に優れる ROS マーカー検知機器(ROS Field Master, RFM)を分光計器(株)と開発を行って きた。本講演では、ストレスにさらされた作物の酸化障害が発症する前に ROS マーカーが応 答すること、つまりストレス早期診断が可能になったこと、この診断法の栽培管理および選 抜育種への応用を提案する。
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