光合成生理の頑健性を追い求めていくと、、、、、、自ずと答えが、、、、

つい先日、私の光合成モデルがジャーナル’Antioxidants’ (IF > 4.5)に受理されました(https://www.mdpi.com/2076-3921/9/3/230)。このモデルの特徴は、光合成生物、特に今回は主要作物の光合成形態であるC3植物の決まりごとに基づいて作られているということです。つまり、C3植物が示す頑健性を把握し、そして新たに発見し、ただただその頑健性から導かれる結論を明らかにしたものです。ですので、モデルの安定性は高く、普遍的なものと判断しております。

光合成生物でのROSストレス、その本当の姿を知りたくて「P700酸化システム」をこれまで確立してきました。この過程で、なぜ「P700酸化システム」は存在しているのか?ということに対して明確に答えを明らかにしてきました。しかし、「P700酸化システム」がどのように機能しているかということに対して、その答えを記述することをまだ行っていませんでした。答えの記述へのアプローチを思案していました。

世界では、光合成に代わるオルタナティブ・エレクトロン・フロー (Alternative Electron Flow (AEF))が光合成が抑制される環境で駆動し始め、「P700酸化」に貢献しているという報告が毎年いくつかあります。しかしながら、説得力に、、、、、、、。なぜなら、光合成過程で一番大きなElectron Sinkの存在を無視して議論がなされている、したがって、多くの報告間での比較ができない、検証できないんですね。サイエンスができ、、、、、、んですね。刹那刹那の一瞬の出来事を取り上げて、重要だと言われても、、、、、、、!

光合成電子伝達制御、誰がやっても、まずこのデータだけは揃えて論文で公表してほしい、ということが可能になるデータの示し方というものに「P700酸化システム」を嶋川さんと2016年Plant Physiologyに論文を公表した時から思い始めておりました。そのような思いでいた時に、2016年に瀬島さんの論文、2018および2019年に嶋川さんの論文、2019年に門田さんの論文、2020年に和田先生の論文を幸い公表することができました。これら論文の本質は、光合成生理の頑健性をとらえていたことです。このことに、ご気づきの方もいらっしゃったと思います。今年、和田先生の論文公表で機が熟したといえます。

今回の総説で、「P700酸化システム」が駆動するためのプロトン駆動力の形成理論、プラストキノンのレドックス形成理論が頑健性をもって説明できることを明らかにしております。この頑健性はかなり強いですね。これが崩壊するような状況は、自分自身の光合成生理解析でいまだ出会ってないですね。

この総説で記載している‘三宅モデル’は、これまでとは異なったアプローチをしております。微分方程式を並べて、刹那刹那の出来事を記載してもよかったんですが、それでは一般向けに分かりづらいという指摘をいただきました(これは、私の説明能力不足から来るものです)。‘三宅モデル’は、C3植物が示す頑健性ある事実だけにもとづいております。そして、それ故に当然の帰結にいたっております。わかりやすいです。C3植物にとって、オルタナティブ・エレクトロン・フロー(Alternative Electron Flow (AEF): O2-dependent electron flow, ferredoxin-dependent cyclic electron flow around PSI)の存在はやはり無視しても、観測される頑健性を成立させる理論構築は可能ということが明確になりました。

今、身の回りの植物の光合成生理、活性酸素生成の生理、非常に見通しがよくなりました。それは、そうでしょうと、、、、、。

光合成の明反応と暗反応のタイト・カップリング、やはり進化の過程で築きあげられた帰結ですね。すべての答えは、ここにありました。

さらに、この頑健性が見えてきたことで、これまでの光合成解析の問題点が多く見えてきました。この点は、解決していくべき問題であり、おざなりにはできません。今後の解析が楽しみですね。

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