新規な機能をもつ遺伝子を発見しました
嶋川くんの論文が掲載されました (Mar. Drugs 2017, 15(12), 390)。シアノバクテリアにおいて、光合成が抑制される環境で誘導される Flavodiirion protein (FLV) (この遺伝子を最初に発見し、その機能を最初に明らかにしたのは、イスラエルの Aron Kaplan 先生です)のアイソザイム FLVs2/4 をコードするそれぞれの遺伝子はゲノム上に存在する小さなタンパク質をコードする遺伝子 cola を挟む形で存在していることがシアノバクテリアS.6803で報告されていました(フィンランドのグループが明らかにしています)。そのために、S.6803でcolaの欠損株の生育が抑制されることが明らかになると、colaはFLVのために存在していると議論されていました。
しかしながら、シアノバクテリアS.7002(FLVs2/4遺伝子をもたない)で、cola遺伝子が存在していることを見出しました。つまり、colaとFLVs2/4との関係に必然性がないことがゲノム上で明らかになったわけです。S.7002において、cola欠損株を作出すると、その生育が抑制され、細胞内で酸化障害が生じること、つまりシアノバクテリアにとって非常に重要な遺伝子であることが明らかになりました。
Cola遺伝子の機能解明のためには、まだまだ多くの研究が必要で、これからの成果が楽しみです。
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すべて表示10月2日より、3回生が3人新たに所属されました。和田先生がモリモリご研究されている光呼吸のお仕事に携わる学生さん二人、私の研究に一人ですね。今年は、いつもと違い、すぐに研究テーマを決定してのスタートです。ご要望があったので、新たな取り組みです。皆様、よろしくお願いします。
先程、自分のウェブページを見て改めて、「研究活動」に記載している内容が古いことに今更ながら気づきました。記載後、非常に研究が進み、多くのことが新しくなっています。いけませんね、、、、徒然にと思っていると、、、、このような事態に至ります。もう少し、徒然さを改善しつつ、取り組みたいと思います。
2020年に提唱していたPSIでの活性酸素(ROS)生成とその抑制モデル(Antioxidants 2020, 9(3), 230; https://doi.org/10.3390/antiox9030230 - 11 Mar 2020)の実証に成功しました。PSIでのO2還元によるH2O2生成の発見(メーラー反応, Mehler 1951)に始まる光合成生物でのROS代謝研究は、その後O2還元の